----------------------------------------------------------------------- >あなたのネチケット・マニュアルをインターネット上で読みました。電子メー >ルのメッセージを発信者または受信者以外の誰かが、どうして妨害したり読 >んだりできるんですか、またそれはよくあることなんですか??? システム管理者の誰もが自分の管理しているシステムの利用者のファイルを手 に入れることができます。UNIXやVAXあるいはNovellのネットワークであって も、電子メールは基本的にはあなたが使用しているシステムの、決められた場 所に保存されている単なるファイルに過ぎません... ファイルや電子メールを 見ているかどうかはシステム管理者によります。多くの場合はそんな時間が無 いか、わざわざそういう事はしないでしょう。好奇心の強い人も中にはいます。 電子メールをモニターすることもあると利用者に伝えている機関や企業もあり ます。一般的にハイエンドの企業では、利用者が取り引き上の機密事項を電子 メールを通じて競争相手に売ることを恐れています。 あなた自身のシステムだけでなく、他のコンピュータシステムを通して電子メー ルが送られる(電子メールが旅行する)ときに、その組織のシステム管理者が、 それらメールを止め、中を見てから送ることも恐らく可能です。とはいえもう 一度繰り返しますが、そういうことをするシステム管理者はほんの一部に過ぎ ないでしょうし、希だと私は信じています。そうです、*不道徳*なのです。そ れにメールは一般に高速で(数秒以内に)送られるので、このようなことを実 行するには、メール・ルータを止め、メール・キューの中にあるメールのファ イルを見る、といった計画を前もって立てておく必要があります。[訳者注: インターネットの経路情報を記憶して、情報の道筋を正しく振り分ける乗換駅 のような役割をしているのがルータという装置です。ルータに問題があれば、 それが回復するまで届いたメールはその組織のコンピュータの中にまとめて保 存されますが、これがメール・キューと呼ばれるものです] またメールはバウンスすることがあります。[訳者注:電子メールアドレスの 間違いやネットワークのトラブルなどが原因で、電子メールが届かないことが あります。この場合電子メールは差出人に戻ってくる仕組みになっています。 電子メールが戻ってくることをバウンスする(はねかえってくる)といいます] この場合、バウンスした原因についてのメッセージがpostmasterから利用者に 届きます。[訳者注:通常電子メールの管理者をpostmasterといいます] "postmaster"からの返信というタグの付いたメッセージが返ってくる場合もあ りますが、システムのpostmaster(すなわち「人間」です。大抵の場合はシス テムの管理者です)もメッセージのコピーを受け取ります。その目的は、メー ルがバウンスした問題の原因を調べる助けになるからで、実際役に立ちます。 そのバウンスしてきたメールの内容が照れくさくいもの、不見識なもの、ある いは非倫理的なもの(取り引き上の秘密とかポルノ写真の売買とか)でなけ ればいいのですが。なぜならそのメールはpostmasterによって読まれますし、 FBIがインターネット経路に「監視用の」組織を設置していることも考えられ るからです。電子メールを送るときの基本ルールは、「夜のニュースで見た いと思わないような内容は送るべきでない」ということなのです。 暗号化(メールの内容を読めないようにかき混ぜ、ある鍵すなわちパスワー ドによって解読するようなプログラム)について、大変な論議を呼んでいる 動きがあります。合衆国政府はそれを非合法とし、(アメリカ合衆国内の) インターネット・コミュニティでは、クリッパーという暗号化装置のみを使 用することすることを望んでいます。そうすることが最も国家の利益を守り、 テロリストの脅迫や不法な活動を防ぐと政府は主張しています。インターネッ ト・コミュニティはもちろんこれを*とんでもないこと*、プライバシーを守 りたい、「ビッグ・ブラザーが君を見張っている」インターネットなんてと んでもない...と主張しています。他人に送るものが安全で無いことに人々 は気がつきはじめ、暗号化パッケージ(ソフト)がどんどん産み出されてい ます...。私自身も家庭向けの暗号化パッケージを持っていて、私と相手以 外に読まれては困る内容のメールについては、安全のために使っています。 とはいえ私のプライバシーを守る事すらも、近いうちに不可能になるかもし れません。 [訳者注:クリッパーというのは小型の暗号化LSIのことで、米国内で販売 されるネットワーク機器に内蔵を義務づけかどうか議論されています。とい うのは安全保障のためにクリッパーの解読キーを政府が持つことになってい るからです。安全保障の立場から米国は暗号化の問題には非常に神経質であ り、RSAという暗号化技術についても海外への輸出を制限しています] この問題について議論しているリストサーブ[訳者注:メーリングリストの こと]やalt.privacyというユースネット・グループ[訳者注:ニュース・ グループのこと]があります。もしもっと知りたいことや主張したいことが あるのなら、そのような議論グループに参加すべきです。また他の人にもこ れを啓発し、個人の権利とプライバシーを強く守るために皆が戦うよう動機 付けしてください。 ********************************     アーリーン・H・リナルディ - アカデミック/教育支援サービス 教育/トレーニング - フロリダ・アトランティック大学、ボカ・レートン、フロリダ  インターネット: RINALDI@ACC.FAU.EDU ビットネット:RINALDI@FAUVAX    ホームページ:http://rs6000.adm.fau.edu/faahr/arlene.html             日本語訳:杉崎 忠久