学校法人高橋学園 創立135周年

 

創立135周年記念式

 

創立135周年記念式式辞

創立135周年記念式式辞
                                     千葉学芸高等学校長 髙橋 邦夫

 本校は、1887年2月1日に創立者高橋あい先生が、裁縫技芸塾として開校したのに始まります。
 明日、2022年2月1日に創立135周年の記念日を迎えます。
 全校生徒教職員各位とともに、この節目の年に立ち会うことができましたことを、お喜び申し上げます。

 1973年発行の「千葉県教育百年史」に、次のように記載されています。
「明治20年2月に山武郡東金町の高橋あいが、自宅において裁縫技芸塾を開き、近隣の女子に裁縫を教授した。本科2年で生徒約30名であった。これが、本県における女子裁縫塾の始めであり、現在の東金女子高等学校の前身である。」
 千葉県の女子教育の先駆けとなったのが本校であり、技能教育と、美しい人間性の創造を掲げて、135年の歴史を歩んできました。

 高橋あい先生は裁縫の天才と呼ばれた方で、倫理や歴史などの学問にも長けていました。創立当時は、裁縫だけでなく修身や礼儀作法などの教育にも取り組み、理論を重視した指導法を取り入れて、学問と技芸を両立する教育水準の高さが評判を呼んだといいます。明治・大正・昭和の激動の時代を乗り越えて、ただひたすらに、技能教育を通じて人間性の教育に当たり、着実に向上への歩みを続けてきました。
 本校135年の年輪は、常に危険にさらされ、そして貧困の中で、私学教育という尊い使命のもとに、さまざまな困難をのりこえて刻まれたものでした。
 学校名もこれまで8回も変わっています。1903年(明治36年)7月に千葉県知事の認可を受けて塾から女学校の学校組織となった陰には、苦しい財政の中から校舎建築をしなければならず、1919年(昭和6年)の甲種実業学校への昇格の際は、文部省から命ぜられた当時5万円の供託金を集めるために奔走したといいます。太平洋戦争中には、統廃合を求められたものの、農業学校と改称して危機を切り抜け、1943年(昭和18年)には資金作りに血の出るような苦労を重ねて、法人化を達成したのでした。
 この間多くの私立学校が存在しましたが、その多くは経営の失敗や財政難から、廃校になったり統合されたりして消えていきました。本校が創立以来の形態と伝統を保ったままで今日も存在している背景には、創立者をはじめ歴代の校長や教職員、卒業生たちの献身的な努力のお陰です。地域の方々の理解と温かい支援も欠かせない力となりました。本当にありがたいことでした。
 135周年の創立記念日にあたり、先人の労苦を称え、お世話になった方々に深く感謝いたします。

 創立者高橋あい先生は、厳しい先生であり、研究熱心な先生であり、生徒を我が子のように愛した先生でもありました。教育に一生を捧げた創立者の情熱と、子弟への強烈な愛情は、歴代校長に受け継がれ、いまそのバトンを学校長である私が預かっています。嬉しい時も、苦しい時も、学校運営の折々に創立者の理想と情熱を想うことで力を得て、正しい道を進んでいることを確信します。
 少子高齢化という大きな課題を抱えた21世紀の社会にあって、私学の歩む道は険しく、困難な道のりですが、これまで135年間つづけられてきた歩みを止めることなく、これから次の135年間も歩みを持続するために何を為せばよいのか、考え、判断し、行動していくことで、この歴史を継承して参りたいと思います。

 生徒の皆さん。資金があれば校舎やグランド、学校設備をいくらでも立派なものにすることができます。しかし、歴史は、お金では買うことが出来ません。
 135周年を迎えるにあたり、大勢の方々から祝福と励ましをいただいています。私たちは、この励ましを新たなエネルギーとして、さらに前進して参りましょう。大勢の先輩が学び、汗を流し、数々の感動を記録してきた学校です。
 皆さんが、将来の目標を定め、歴史に学んで、力強く明日に羽ばたいていくことを期待します。

 私たちは、千葉学芸高等学校にゆかりの者として、この135周年の歴史を称え、創立者をはじめ、学園を築き、支えてきた歴代の教職員各位、ならびに、営々と良き校風を築き、育ててきた卒業生の各位に感謝するとともに、この歴史を継承しつつ、新たな発展に向けて歩みたいと願います。

 建学の精神「創造」を旨として、未来につなぐ志をあらたに、創立135周年をお祝いいたします。

                          2022年(令和4年)1月31日 創立135周年記念式

 

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創立135周年記念パンフレット