東金女子高等学校

100校プロジェクト 平成8年度実施状況


○ネットワーク利用状況

○平成8年度の成果と課題

 インターネット・サーバ機は依然不安定だが、設備更新した校内イントラネットサーバに一部の処理を代替させて補完している。ネチケットの指導は教材の充実により本格的に取り組めた。電子メールアカウントは、技術およびネチケットの指導を終えた者に利用権を与えている。またWWWの利用も、サーチエンジンの利用など情報活用能力の育成に役立つようになった。
 インターネットが利用できる教室が1教室のため、教室の空時間の関係から一般教科に供与する余裕がなく、一般教員および教科での利用は停滞気味であった。しかし来年度は設備更新で1教室追加し一般教科で拡大利用する目処が立っており、活用方法の開発と実践に積極的に取り組んでいきたい。本年度は情報関連教科で主に利用し、電子メール、WWWを主体とした。電子ニュースは、ネチケットの問題のほか、有害情報や生徒の安全性に関する配慮から授業での利用を見送った。課外活動での利用は教室を開放しているほか、特にアートクラブでホームページ作成、作品公開などの情報発信的利用が行われた。
 カナダ・ニューウェストミンスター高校一行の来校は、昨年先方の教師が本校ホームページを見たのがきっかけであった。電子メール交流を通じて知り合ったカナダの高校生が実際に来校したことで、国際理解に対する意識も高まり、インターネット利用の効果が随所に見られた。そのほかのインターネット利用の成果および効果としては、新しい情報メディアのリテラシーを身に付けたこと、印刷メディアに較べ、学校から情報を発信する対象を格段に増やすことができたことがあり、成果物としてはホームページに掲載したさまざまな著作がある。
 昨年度に引き続き、自前のWWWサーバで多くの公益的な情報を掲載して社会的貢献も行った。ネチケットガイドライン日本語版やネチケットホームページは多くの参照を得て好評を博しており、インターネット社会でのマナーの普及に貢献している。ザ・ナインプラネッツ日本語版は中学校や小学校の理科の授業で教材として利用されるなど天文知識の普及に役立っている。また、インターネットの利用やサーバ管理に伴う技術的な問題の解決として発足した千葉大学教育総合実践センターのschool-techメーリングリストの開設に携わったほか、地域向けインターネット講習会や地域ユーザグループとの連携を通じて、地域社会への貢献助言も展開している。
 平成9年度はサーバ機も強力なワークステーションを導入することで安定性の向上と、公共的テクニカルサービス(CU-SeeMeリフレクタやWWW-Mailゲートウェイなど教育利用に役立つ技術的サービス)の拡充が可能となる予定である。
 対外的には、100校プロジェクト共同利用企画をはじめとした交流にも引き続き積極的に関わる予定である。わかなプロジェクトなどの公益的な自主企画・開発も引き続き推進し、インターネットの学校利用への牽引車的役割を担っていきたい。また、ネットワークを利用した生徒間の共同制作など、生徒同志の交流への取り組みも拡大していきたい。
 そのほか、保護者や近隣校の教師、地域社会人等を対象としたインターネットセミナーを開催して啓蒙を図ることも新設備を利用して取り組みを拡大する予定である。

○プロジェクトに参加して

 100校プロジェクト対象校として提供を受けたインターネット利用環境を本校では恩恵と考え、実践を通じた普及啓蒙活動、公益情報の提供などの貢献を通じて社会に恩返しをするべく邁進してきた。利用上の問題点なども各校担当者との情報交換を通じて解決を図り、あとに続く学校に対して有効に助言できるだけの経験と知識も積んできており、それらを地域連絡会などの場で還元する努力も重ねている。
 この2年でインターネットと学校教育をめぐる状況は一変し技術的社会的環境が整備されてきた。100校プロジェクトが一連の流れの大きな核となったことは間違いないし、今後も100校プロジェクトを経て培われたノウハウ、経験を積んだ人材資源は生かされることだろう。何よりいち早くインターネット利用の素養を身につけた生徒たちの今後の活躍が楽しみである。
 他方、インターネットの問題点、陰の部分がマスコミ等でいろいろ取り沙汰されている。しかし、それらはそのまま現実社会のかかえる矛盾であり倫理的啓蒙が最良の解となる問題である。インターネットの場合は、それらの諸問題に対して技術的解決も図れるというメリットがあるのだから、前途はさほど悲観的なものではないと認識される。
 ネットワークは、人と人を結ぶもの。2年間の活動を通じての結論である。インターネットを通じて得た知己は全国に広がり、直接顔を合わせなくとも日常的な交流が保てている。この人的ネットワークは、こねっとプランなどによる新規参入校もとり込んで、今後も拡大成長を続け、より明るい未来への礎となるのではないか、そのような予感を抱いている。


ホームページへ
                 1997.2.10(東金女子高等学校 総務部長 高橋邦夫)