東金女子高等学校

100校プロジェクト 平成7年度実施状況


○ネットワーク利用状況

○平成7年度の成果と課題

 インターネットへは1995年5月11日に接続されたがサーバ機の調整に手間取り、安定して稼 働し始めたのは10月であった。その間ホームページの制作公開や全生徒のアカウントの作成な ど部分的に準備をすすめ、2学期の開始とともに電子メールとWWWの生徒の利用を始めた。ネ チケットの指導を折り混ぜながら、クラス内、校内、他校、海外と電子メールの交流範囲を広げ た。週1回の授業だけでは電子メールの即時性が十分に活かせぬため、授業以外の時間でも生徒 が利用できる端末を校内各所に設けることを次年度検討したい。システムの安定化が半年近くも ずれこんだため、時間的な余裕がなく生徒の積極的な活用に踏み込むことができなかった。授業 では、そのほかにWWWを利用して内外の情報検索を実習したが、生徒は簡単な操作で多くの情 報を入手できることを楽しんでいた。WWWで調べた海外の学校をレポートにまとめ電子メール で提出する課題を与えたが、成果はいずれホームページで公開したい。
 自前のWWWサーバという環境を活かし、多くの公益的な情報を掲載して社会的貢献を行った ことも大きな成果である。ホームページはまず英語版を作成し公開した。数日後早速アメリカの 高校生から電子メールで感想が届き速報性に驚いた。内容は、自分の学校ではWebサーバがない が学校でWebページを持つことに感動した、内容を見て日本に関する理解が深まったなどという ものである。その後も、ニュージーランド、カナダ、スウェーデン、インドネシアなど各国から 週1通のペースで感想や交流の申し込みのメールが届き、生徒に回送して返事を書かせたりして いる。中でもカナダの高校から、1996年6月に山形の姉妹校を訪問するが東京近郊での宿泊先を 提供して欲しいという申し込みが突然舞い込んできた時は驚いた。校内の調整を図って敷地内の セミナーハウスで受け入れることにしたが、これもインターネットを媒介とした国際交流の成果 の1つであろう。
 成果および効果としては、世界が身近かになったことで生徒の国際理解が進んだこと、新しい 情報メディアのリテラシーを身に付けたこと、印刷メディアに較べ、学校から情報を発信する対 象を格段に増やすことができたことがあり、成果物としてはホームページに掲載したさまざまな 著作がある。
 技術的な課題として、サーバのディスク容量が少なく、全生徒がメーリングリストなどのサー ビスを利用するようになると不足が予想される。サーバ機は処理能力の面でもやや非力である。 UNIXの管理については事務局の支援を受けて必要な技術を教師が覚えたが、サーバを自在に操る レベルにはまだ遠く、教師が容易に管理し拡張できるハードおよびソフト技術の開発が待たれる。
 そのほか、ネチケット(ネットワーク・エチケット)については、当初参考資料が少なく、指 導者自身がわからない点が多くて苦しんだが、今年度を通じて各種の情報を研究し、得た資料は ネチケット・ホームページとしてまとめあげたので、次年度はこれを活用して授業で生徒に指導 できると思う。

○平成8年度の予定、構想

 平成8年度は、4月当初からの情報処理のカリキュラムにインターネットの利用を組み込んで 一層の活用を図り、本年度実施できなかった電子ニュースの利用なども実習したい。そのほか、 一般教科でも利用できるように普通教室へのネットワークコンセントの設置や稼働式端末の導入 を図って活用の幅を広げることを計画している。
 対外的には、100校プロジェクト共同利用企画をはじめとした交流に引き続き積極的に関わっ ていきたい。本年度実施したネットワークコンテストやCU-SeeMe会議なども、時間的に余裕を もって再度取り組みたい企画である。新企画としてネットワークを利用した生徒間の共同制作を 行うと面白いと思う。
 また、保護者や近隣校の教師、地域社会人等を対象としたインターネットセミナーを開催して 啓蒙を図ることにもぜひ取り組みたい。
 そのほか、有害なWWWコンテンツを排除する仕組み(w3.orgのPICSなど)が開発される らしいので、これを含めた学校教育で生徒が安心して利用できるシステム構築技術の研究も継続 していきたい。

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                 1996.3.19(東金女子高等学校 総務部長 高橋邦夫)