Date: Fri, 16 Sep 1994 12:49:11 -0400 (EDT) From: Arlene Rinaldi ネットトレーナーの皆さん、下記は私が答えることができなかった質問です。たぶん これは主流なのでしょうが、私の大学にはないものなので正直なところメーラの「受 領証明(receipts;レシート)」というのを聞いたことがありません。これは、「受 領証明」が悪いネチケットと考えられるかどうかについて返答した内容です。みなさ んがどう考えるのか教えてください。 ----転送メッセージ開始 > > > ネチケットに関するあなたの記事に感謝します。私は未熟なインターネットユ > > > ーザですが、最近、私が送ったメッセージに受領証明をつけるのは悪いネチケ > > > ットと考えられると言われました。でも、あなたの記事にはこの件に関する記 > > > 述はありませんでした。初めて誰かにメールを書く場合で、メッセージが相手 > > > に届くかどうか確信を持てない場合、メッセージに受領証明をつけるのは間違 > > > ったことなのでしょうか? > > > > > > > 対照的な話ですが、私が授業でネットワーク・メールを教える時には、私は学生に次 > > のことを*推奨*しています。もし誰かに初めて送るメールで、宛名が正しいものか確 > > 信がなく、メッセージが届くかどうかを確認したい場合には、最後にそのメッセージ > > が正常に送られたかどうか知らせてくれるように依頼する注意書きをつけるべきだと > > いうものです。私自身しばしばこのようにしています。私は、あなたが「受領証明」 > > と言っている意味を取り違えているかもしれません。手紙の最後の「この手紙が届い > > たことを私に知らせてください」という単なる注意書きで一般には十分です。 > > > > >  私が「受領証明」と言ったのは、受け取り人がメッセージを開いた時に自動的に生成 >  されるメッセージのことで、相手があとで返事をするかしないかに関わりなく送られ >  るもののことです。書留郵便のように、cc:mail(当方のシステム)では受領証明の >  通知を要求することができます。これは、手紙の相手による_個人的な_受取通知を要 >  請するのとは_異なり_ます。 >   >  私は無作法を働こうとしているのでは_ありません_が、あなたに私が意味するところ >  がわかるように、このメッセージに受領証明をつけます。あなたが私のメッセージを >  読もうとする前に、スクリーンに「受領証明を返信中」という通知が表示されるでし >  ょう。 >   >  そこで、これは悪いネチケットと考えられるのでしょうか。 >   >  よろしくお願いします。 たぶんそうでしょう -- 私には確信がありません。これまでこのことを聞いたことがあり ませんでした。おそらく*あなたの*特別なシステムでは、人々はこれを無作法だと思うの でしょう。あなたがインターネット経由(組織内のローカルなメールではなく)で電子メ ールを送ろうとするなら、状況次第です。受取人もcc:mailを持っているなら、ご所望の 「受領証明返信中」メッセージが出るでしょうが、おそらくそうではないでしょう。私は あなたのとは違った種類のメーラを使っているので、何のメッセージも受け取りませんで した。cc:mailとは異なるメーラで、受領証明とは何かを認識しないものは、UNIX用、VAX 用、PC用、MAC用を始め数百の違ったメーラが出ています。これは、受取人にしてみれば、 あなたのメッセージ以外には特に違うことは何も見ない(したがって気付くことはない) ということを意味します。 この話をネットトレイン・リストサーブの仲間たちに公開させて貰えませんか。これは、 インターネット関連の授業をする約3000人の人々からなるグループです。その大多数がこ の件を煩わしいものとか「無作法」だと同意するなら、あなたに知らせますし、ネチケッ ト文書に追加することにします。繰り返しますが、わたしはcc:mailを持っていませんの で、受け取るもの送ったもののどちらの「受領証明」も私にとっては存在していません。 ---------------------------------- 受領証明と無作法さのまとめ 第一に、私の質問に対して返答してくださったみなさんに感謝申し上げます。学内のいく つかのシステムにアカウントを持っていますが、いろいろな種類のシステムのどのメーラ にもこの機能はありませんでした。このこと自体が、これがインターネット標準ではなく、 インターネット利用者はこれが標準になるとかどんな時でも動作すると「仮定」すべきで はないことを物語っています。 トレーニングにおいて良い題材でしょうか?私はそう思います...単に1つのメーラが 「ベルと呼び笛」を持っているからといって全部が同じように動作するとは仮定できませ ん。つまり、インターネット経由でメールを送る場合にはKISSの原則に従うべきだという ことです。別の国から来てKISSという隠語を知らない人のために解説しますと、これは 「物事を単純に保て(Keep it simple stupid)」という意味です。ローカルなシステム は別のガイドラインに従うかもしれません。 下記に、メーリングリストや個人宛メールで寄せられた返答を要約したものを添付します。 何人かの助言者からメールの「受領証明」について技術的な側面からいろいろな意見があ りましたが、「無作法さ(rudeness)」の問題に言及したものを添付しています。 第2に、受領証明は「一部の」人にとってはプライバシーの侵害とも、また無作法とも考 えることができます。インターネット経由で返答する際には相手が返答できる「個人的な」 表示、つまり「このメッセージが届いたら私に知らせてください」という文を手操作で付 けることが望ましいでしょう。 第3は、すでに私が自分の指導に用いていることです。この問題に関連して現在は若干推 敲しましたが。-- 感謝すべきことに、インターネット通信において「人間的」要素は非常 に良く残っています。異なる視点や好み、状況を混ぜ溶かす鍋のような場であるという意 味です。即座にメッセージが戻ってこないからといって、それは相手が受け取っていない ということを意味するものでしょうか?相手は休暇をとっていたかもしれませんし、不在 かもしれませんし、あなたのメールに答えたくなかったのかもしれませんし、メールシス テムが故障していたかもしれませんし、あなたと同じ姓の誰か別の人と思い込んでしまっ たかもしれません...これは人間的要素であり、システムが強制する受領証明、つまり、 「あなたは受け取ったんだから、返事をしたらどうですか」というのはプライバシーの侵 害とみなされる*かもしれません*。 私は、誰かが私のメールに「受領証明返送」を添付したかどうか意識しないこともできま す...ともかく私には見ることができませんから、意識する理由がありません。もし送信者 が私が受領した時刻を示して返事が遅れていると悩ませる場合には、意識するでしょう。 たいていメッセージは届くでしょう。もし無効なアドレスが指定された場合には、多くの 場合「ポストマスター(postmaster)」メッセージがあなたに送られます。もし、そのメ ッセージが非常に大切なものなら -- 繰り返しますが、受領の確認をお願いする個人的な メッセージを送りましょう。 もう一度、このメッセージに返答してくださった方々に感謝します。私はこのネチケット の質問のもともとの依頼者にこのメッセージを転送することにします。 ---------------------------------------------- From: Jakob David 私達のところで使っているマイクロソフトMailも受領証明機能が使用できますが、他の メールシステムのホストに対しては同様です。「無作法さ」あるいはおそらく誤った使 い方の問題はその使われ方に依存します。類推して考えてみてください: 1) もし夫婦の一方が夫か妻が頻繁に外出しているかどうか知るために自宅に電話をかけ る、つまり相手の身辺を探る場合、これは間違った行為でしょうか。おそらくそうでし ょう。もし同じことが電子メールでもできるとしたら? 2) もしあるサラリーマンが同僚に重要な書類を認め印が必要な書留郵便で送る場合、こ れは間違った行為でしょうか?疑わしいものです。同じことが電子メディアでも正しい といえるべきです。 3) もし雇い人が勤務に遅刻していないかどうか確かめるために雇い主が受領証明をつけ た電子メールを送る場合、それは間違ったことでしょうか?うーん.... おわかりのように、一般的に議論するのは有効ではなさそうです。おそらく、どの状況 が最良かは個人の判断にゆだねられるべきでしょう。ある人が受領証明によって「侵害 された」と感じたなら、そのような行為が迷惑だということをメッセージを送った相手 に知らせるのはその人の責任でしょう。 メッセージを読んだ日付や時刻(あるいは会社でとか、家でとか、ほかのどこかでとい う場所)を知った他人に対して一部の人がなぜ反発するのかは、メッセージを受け取っ たそれらの人の何かを物語り、メッセージの送り手については必ずしも語りません。 そのメッセージを送った人は、おそらくそれが届いたことを確認したかっただけでしょ う;受領証明を容認しない受取人は、何か隠したいことがあるのでしょう。しかし、そ こで繰り返しますが、おそらくこれはプライバシーの侵害です。私個人は気にせずには いられません。他の人は同様には考えないかもしれません。トレーニングの問題につい ては、両者の立場を提示して、それぞれの個人が自分なりの結論を出すことをお勧めし ます。 ----------------------------------- From: FLEET TEACHOUT 私は受領証明の要求が無作法だとか悩みの種だとか聞いたことはありません。友人との 電子メールでは、私はよくメールが届かない場合の確認を求める文「もしこのメッセー ジを受け取らなかったら知らせてください。」というのをつけます。このインターネッ トシステムはとても良いものに違いありません。私はこれまでに電子メールを送ってき た5年以上の間、一度もこの不配達確認を受け取ったことがありませんから。:) ----------------------------------- From: Robert Minato 問題は、メールの受領証明の自動返送について、その便利さ対無礼さという討論での 主に個人的な好みの問題であるようです。 ともかく、私の意見では、受領証明の自動返送は少なくともでしゃばりです。電子メ ールは返事をする機械のようなもの、大部分は有用だと判明した装置と考えています。 私はメッセージを受け取り、可能な時、大部分の時間は返信を返します。呼び出した 相手は、私がメッセージを受け取ったものと合理的に仮定できますし、返信を返さな い場合、独自に結論を導く自由があります。 ---------------------------- From: Seth Ross 読まれたという受領証明には別の問題があります。それは通常、メッセージが読まれ た正確な時刻を示します。私は、自分が朝の5時にメールを探し回る奇妙な人々の一 人であることを通信相手に知られたくないと思う時があります。時には、特別な電子 メール(たぶんあなたは時間を買ったり終わったものと考えたいと思うでしょう)を 隠して受け取らなかったと偽って言う役にもたちます。読まれたという受領証明は、 他人に、あなたが彼等の手紙を見たのをがわかってしまうという事を強制します。 ------------------ From: Jay Pfaffman cc:mailとか他のNovell用の電子メールシステムをインターネットに使うのは、以下 の点で悪い考えです:  インターネットの電子メールはcc:mailのすべての仕様に標準として互換性をもつ  わけではなく、混乱と悩みの種を生みます。 ----------------------------- From: Albert Lunde あなたが引用したメッセージが示唆するのは、インターネットメールと相互作用する 幅広い種類のメーラがあるということです。全部が自動受領証明について同じ様な利 便性を提供するものではありません。 メールソフトウェアによっては受領証明に別の方法を用いるものもあります。受領証 明機能が実装されている場合、その受領証明は相手のメールボックスへのメールの配 送時点を示すものかメールの読み取り時点なのかは常にはっきりしているわけではあ りません。 * 他方、読んだ時に返事を送るよう人間自身に頼むのは、*良い*考えであるでしょう。 たいていの場合これは最も簡単であり、時にはあなたのメッセージが配送されて読ま れたということを知る唯一の方法であるからです。(跳ね返りメールの不達メッセー ジはとても普及している機能ですが、不達時のすべての場合に生成されるわけではあ りません。) * 最後に、無作法さに関連する点を述べます。ある人々は、彼等がメールを読む時間 をあなたが知ろうとしたり知ってしまうことをプライバシーの侵害だと考えるでしょ う。 これは、同一組織や共同プロジェクトで働いている人々には適用されそうもないこと ですが、ネットで出会う相対的な異邦人に対する場合にはありそうなことです。これ は、ローカルな電子メール環境を使って開発された基準をインターネットに適用した 場合には誤解を招くことの一例です。 これが1つの特定の場合に適用されるなら、これは1つの判決となります。 -------------------------- From: Nancy 私たちのシステムでは、これは確認通知と呼ばれます。メールが相手に読まれるのを 確実にするためにこの設定は普通に行われています。これはまた、相手がいつ読んだ かも知らせてくれます。なぜ誰かがこれを無作法だと考えるのかわかりません。 ---------------------------- From: John Wilkes Gophermeister 正直なところ私の考えでは、これは「無作法」ではなく、むしろプライバシーの侵害 です。通常郵便では私がいつ読んだか、または読んだかどうかは誰にもわかりません。 もし「受領証明要求」を使うのに時間と手間をかけない限り、わかるのは私がメール を受け取ったことだけであり、読んだことではありません。 ------------------------------- From: Andrew Brennan, Programming Bween では、あなたはこれがあなた自身のプライバシーへの侵入とはみなさない?あなたが 受け取る全部の手紙が書留郵便だというのとは違います。-さらに悪いことに、いつ *受け取った*かを知ることではなく、実際にあなたがいつメッセージを読み始めたか を返答するタグをつけているのです。 もし私たちのシステムがこの種の無意味なことを提供したら、この機能を殺す方法を 十分な時間を費やして探していたはずです。無作法を働かないようにではなく...単 に私を悩ませないようにするために。これを私の悪いアイディアのリストに加えまし ょう。「標準としてのワードパーフェクト」とか「ドングルは良い装置だ」というの と一緒にして。 ----------------------------------------- From: GERRY NEUFELD 私の意見ではこれは通常の電子メール通信では有用な機能と思われます。 ----------------------------------------- From: Nancy 私は、人々が確認通知をプライバシーの侵害と考えることに驚いています。指導者 が電子メールで課題を送る時には確認通知は重要です。上司が電子メールで指示を 送る場合にはその情報を相手が読んだかどうかを知るのもまた重要です。私は実際 私がメールを読んだことを誰かが知っても気にしません。これは大きな問題ではあ りません。電話会社はあなたがいつ長距離電話をかけたかを知っています。郵便局 は手紙を追跡することができます。多くの電子メールパッケージがこの機能を持っ っていますから、大きな問題ではないでしょう! ------------------------------------ From: Norm Aleks 受領証明が無作法であるかどうかというもともとの質問に答えて:私はcc:mailの システムを使ったことがありますが、受領証明を受け取るのはいつも大嫌いでした。 私の部に受領証明をつけて注意書きをいつも送ってよこす人物がいましたが、それ はただ私が決して開かない場所に届くだけでした。:)...私は誰かほかの人が同じ メッセージを受け取ったかどうか調べて、彼等のを読みました。それで自分が受け 取ったメッセージを削除するか、保存しておいて1か月後に読んでいました。 (はい、はい、これが極端に聞こえることはわかっています。でも、「受領証明は 戻ってきている」というメッセージに対してはこうするしかなかったんです...) ******************************** Arlene H. Rinaldi - Academic/Institutional Support Services Education/Training - Florida Atlantic University, Boca Raton, FL Internet: RINALDI@ACC.FAU.EDU Bitnet: RINALDI@FAUVAX Home Page: http://rs6000.adm.fau.edu/faahr/arlene.html ******************************** 日本語訳 高橋邦夫 1996.3.21