> 学術的な論文やusenetへの投稿、ウェブのページやFTP転送によって > 提供される情報などのインターネット資源の引用に関する現在の慣習について > 教えていただけませんか? 社会科学におけるコンピュータファイルの参考文献録: 建議書                Sue A. Dodd 著         ノースカロライナ大学 社会科学研究所    ノースカロライナ州チャペルヒル         27599        usdodd@uncvm1.bitnet               1990年5月版       著作権を明記することを条件に印刷・再配布を承認します。 背景  メーリングリスト「ICPSR公式代表者の非公式リスト」の参加者の間での最近の議論 で、引用に関して次のような議論が集中しました。コンピュータファイルを参考文献 や脚注、文献録で引用することに関する議論と、コードブックとファイル(あなたが 両方とも持っているとして)のどちらを引用として記述したらよいか、また、おおも との情報源を引用すべきか、2次情報源でよいのか、といったことです。最後の2つ の件に関しては、コードブックに反対し、ファイルのことを文献録に記述すること、 そして一般におおもとの情報源を参考文献録に記述することが適当な回答があるよう に思われました。しかし、最初の件についてはもっと多くの情報を必要としました。 そして次回のICPSR OR ミーティングはこのような論議を対象とすることに定められ ました。 備考 : このレポートは1989年11月に ICPSR OR 総会 (ICPSR OR Annual Meet ing) において最初に提出されました、しかし1990年5月〜6月にニューヨーク のPoughkeepsieで行われた IASSIST ミーティングで修正されました。 問題点の確認 よいニュースと悪いニュースがあります。よいニュースは研究員が社会科学誌の参考 文献一覧の中にコンピュータファイルを記述し始めているということです。悪いニュ ースは自分のデータ情報源を引用するすべての人にとってのもので、ほかの20から 30人が引き続き引用文献の記載をしていないということです。 これは貴重なデータ情報源が社会科学参考文献一覧のような基本的なサービスによっ て索引を付けられないであろうことを意味します。そして一層重要なことは、これら のデータを分析したいと考えているその次の研究員は、それらを取得するための十分 な情報を得られないかもしれないということです。どのようにデータファイルの参考 文献録を編集するべきかについて例と情報を研究員に提供する努力にもかかわらず、 圧倒的大多数はそれらの著作物の本文中にデータ源を記述し続けており、しかも参考 文献録に記載していません。 Social Forces誌1981年3月号は現在「コンピュータファイル」といわれている 機械読みとり可能なデータファイル( MRDF ; machine-readable data file )を 引用する方法について(著作者ガイドの中で)説明をした最初の有名な社会科学誌で した。Social Forces誌の参考文献一覧でよく見つけられることができるコンピュー タファイルの引用に、こうした努力が影響を持っていたかどうか見るために、私は 1988・89年の2年にわたるサンプルを必要としました。2次的な分析の形式を 記述しているおよそ90の記事の中に、ほんの12のコンピュータファイルが参考文 献として記載されていました。その引用のひとつが独特なスタイル(下記参照)を持 っていました、しかしそれにもかかわらず、そのデータにアクセスするのに十分な情 報を含んていました。大切なことは情報を与えないことよりもこうした努力の中で失 敗することなのです。 Inter-university Consortium for Political and Social Research. 1979. ICPSR study 7708 Data Description. Police Departments, Arrests and Crime in the U.S., 1860-1920, Principal Investigator: Eric Monkkonen. Ann Arbor. 実際のデータを参考文献録に記載することが遠回しな方法であると思われるいくつか の引用がありました。その1つあるいは2つは例外でしたが、たいていの人口調査情 報の記述は GPO によってプリントされた書類の形式で来ました。これが意味するこ とは我々が実際のデータ情報源を参考文献録に記載するために我々の研究員を教育し て、そして励ます努力を再スタートしなくてはならないということです。我々はさま ざまな社会科学訓練の中で同じように編集者と閲読者を励まさなくてはなりません。 どのように我々はこれをすることができるか、そして IASSIST メンバーはどんなの 役割を果たすことができるのでしょうか?   -- IASSISTは小さいパンフレットを出版する作業あるいはコンピュータファイル    に十分な使用説明書と参考文献録の例を提供する作業に着手するべきです。こ    のような出版は研究員に必要なときに各自の机で容易に検索する喜びをを提供    するでしょう。明らかに、データ提供謝辞の一部として提供された情報や、あ    るコードブックで与えられたデータとして提供された情報は適切な配慮を受け    ていません。この作業はほかのアメリカン・ソシオロジーレビュー誌、ソーシ    ャルサイエンスインフォメーション誌、政府刊行物レビュー誌、デモグラフィ    ー誌、アメリカン・ポリティカル・サイエンスレビュー誌などの社会科学雑誌    の編集様式にも反映べきです。   -- IASSISTは同じく研究員に対して、それらのデータ情報源を引用文献録に記載    されるように呼びかける表明を支援することを望むでしょう。この表明は読ま    れるでしょう : 「あなたのコンピュータファイルを参考文献録に記載すること    を忘れないでください....」それはいろいろな社会科学誌に送られるべきです。    そしてスペースが許すなら、彼らはそれを実行するでしょう。    れません。もうひとつの表明が、いくつかの編集委員会に共同で支持されるで    しょう。例えば「次の編集委員会は社会科学データ源の引用についての慣習を    支持しています....」さまざまな協会の会報は、この種の告知のために同じよう    な媒体となるかもしれません。   -- 個々の IASSIST メンバーが編集者と連絡を取って、その参考文献録にコンピ    ュータデータ情報源を記載することの重要性を論じるべきです。研究員がプリ    ントされたものと同様、機械読みとりのしやすい情報源を参考文献に記載しな    ければならないことを指摘してください。加えて、この慣習は情報源が参考文    献録に記載され、それ無しでは記事の本文の中で記述されないようにされるべ    きです。   -- 個々のメンバーが閲読者や出版者と連絡を取り、シカゴ・スタイル・マニュア    ルやKate L TurabianのA Manual for Writersなどのスタイルマニュアルを    用意するよう連絡すべきです。    備考 : 私がこのレポートを準備していた時、私はアメリカン・ポリティカル・    サイエンスレビュー誌によって発表された政治学のためのスタイルマニュアル    と題をされたものを見つけました。   -- 個々のメンバーはICPSRがデータファイルの参考文献録への記載やその添付資    料の質の管理に払う努力に協力すべきです。参考文献録への記入方法をうまく    コントロールすることによってその検索の過程を容易にします。ICPSRスタッ    フはこの点に関してたいへんな努力をしています、しかしもっと多くの指導と    意見を必要としています。例えば、IASSISTのメンバーがタイトルページの参    考文献についての記述とタイトルページの裏にある引用に違いを見つけたとき、    それが修正されるように、これを指摘すべきです。   -- IASSISTのメンバーはコンピュータによる出版、生産とアクセスについての標    準化を扱っている国内の、および国際のグループと一層深い関係を持つべきで    す。社会科学データプロデューサーはコンピュータ・ソフトウエアプロデュー    サーと比べて少数派です。一層積極的な関わり合いと見通しなしで、社会科学    データユーザーの要求を締め出す決定がされます。例えば、NISO のFF委員会    (NISO Committee FF) として知られているコンピュータ・ソフトウエア記述     のための国家情報標準委員会( National Information Standards     Organization)があります。 それはコンピュータ・ソフトウエアのための参    考文献録上の情報も含んでいます。しかし、本文やデータファイルのために同    じような努力はされていません。 このレポートでは短い例のほか、何ものをも供給することはできません、しかし参考 文献録の構成要素についてのより詳しい説明書が JASISの記事(Dodd著 1979年) の 第3部 カタログマシーン-読みやすいファイルの第9章で提示されています。 異なった編集スタイルを使っっていますが、参考文献録の例を下記に示します。たい ていの場合、問題のコンピュータファイルは「出版された作品」あるいは本と同等な ものであると思われています。 − 社会科学でのコンピュータファイルは同じように、 たとえ「縫うか、のり付けされた製本」ではないものであっても、必ずしも箱に詰め られて、パッケージの中に封じられたものではなくともです。参考文献録の内容は、 コンピュータファイル(コンピュータに読める形式)とよばれるひとまとめにされた 情報を例外として、それぞれの編集者の編集スタイルに従っています。 SOCIAL FORCES, AMERICAN POLITICAL SCIENCE ASSOCIATION, and DEMOGRAPHY U.S. Bureau of the Census. 1989. American Housing Survey, 1985: National Core File [computer file]. ICPSR ed. Ann Arbor: Inter-university Consortium for Political and Social Research. U.S. Bureau of the Census. 1979. 1979 Census of Population and Housing, Fourth Count Population Summary Tape [computer file]. Washington: U.S. Bureau of the Census [producer]. Arlington, Va.: DUALabs [distributor]. AMERICAN SOCIOLOGICAL REVIEW Gentemann, Karen M. 1978 Survey of North Carolina Women [computer file]. Chapel Hill: Institute for Research in Social Science, University of North Carolina. Verba, Sidney and Norman H. Nie. Political 1967 Participation in America [computer file]. ICPSR ed. Ann Arbor: Inter-university Consortium for Political and Social Research. University of North Carolina. North Carolina Information 1989 System [computer file]. Chapel Hill: Institute for Research in Social Science [producer]. AMERICAN ECONOMIC REVIEW Elkins, David J., Blake, Donald E. and Johnston, Richard, British Columbia Election Study: 1979-1980 [computer file], Vancouver, B.C.: Department of Political Science, University of British Columbia, 1980. SOCIAL SCIENCE INFORMATION STUDIES and POLITICAL PSYCHOLOGY Davis, J.A., Smith, T.W. and Stephenson, C.B. (1978). General social surveys 1972-1978: Cumulative data [computer file]. Chicago: National Opinion Research Center. Louis Harris and Associates (1973). Harris 1973 Confidence in Government, Study no. 2343 [computer file]. New York: L. Harris and Associates (producer); Chapel Hill, N.C.: L. Harris Data Center (distributor). 電子新聞資料  コンピュータ技術によって引き起こされた新しい現象は「電子の新聞」です。コンピ ュータが学術的な記事を作る方法を変えました。例えば、記事がコンピュータと文書 処理プログラムを使って準備されて、電子メールとコンピュータ・ネットワークによ って再調査のために同僚に送られて、そして後、著者に返されるかもしれません。で きあがってしまえば規定によって関連づけられた電子新聞やコンピュータのリストサ ーバーに保存され、要求によってアクセスされるために送られます。 電子の新聞の一例にthe Public AccessComputer System Review (PACS Review) があります。この新聞は図書館が利用者のために使用可能であるようにした「公共ア クセス」コンピュータシステムに関心を寄せています。記事が PACS Forum リスト サーバー上にファイルとしてしまっておかれます。評論の目録は、その章のあとに含 まれている説明書によって興味を持った記事をリストサーバーから取り出すことので きるすべてのPACS Forum ユーザーに送られます。PACS Reviewが編集の委員会を 経て年に3回出版され、版権を取得しています。それは特別な部署と他の評論作品に おいても同様に重要な役割を果たしています。最初の出版は1990年1月でした。 標準と過去の慣例がコンピュータによって生み出された作品を作り出すために技術と その能力のより遅れていたため、電子の新聞の記事を引用として使用するための決定 的な「ガイドライン」がありませんでした。しかし、常識とそこに増やされたものは、 印刷物からとても扱いやすいコンピュータファイルへと跳躍させるのです。次の例は PACS Reviewの記事をを参考に書かれたものです。 Morgan, James Jay.1990. "Expansion and Testing of a Meridian CD-ROM Network" [computer file].Houston, Texas: Public-Access Computer System Review.Electronic journal. 1(1)34-42.(Access via EMail "GET MORGAN PRV1N1" LISTSERV@UHUPVM1 or LIB3@UHUPVM1.BITNET). Stigleman, Sue.1990. "Text Management Software" [computer file].Houston, Texas: Public-Access Computer System Review. Electronic journal.1(1)5-22.(Access via EMail "GET STIGLEMA PRV1N1" LISTSERV@UHUPVM1 or LIB3@UHUPVM1.BITNET). オンライン・データベースが連載物として取り扱われる  多くのコンピュータ作品が本当の連載物あるいは構築中のデータベースの形式をとり ます。(ダイナミックなデータベース」とも呼ばれます)それらはちょうどほかのコ ンピュータファイルの型として参考文献録で引用に出されることができます。その連 載物が完全であるなら、唯一の相違は異なった開始日と終了日を持つということです。 継続しているものだけに、開始日とそれに続くハイフンや空白が与えられているの です。 University of North Carolina.1989- IRSS Catalog of Data Holdings [computer file].3rd ed.Chapel Hill, N.C.: Institute for Research in Social Science.On-line database. (uirdss@uncvm1.bitnet). ____________________________. 1989- Questions from the Louis Harris Surveys 1958 to the Present [computer file].Chapel Hill, N.C.: Institute for Research in Social Science.On-line database.(uirdss@uncvm1.bitnet). __________________________. 1989- Questions from the USA TODAY Polls 1983 to the Present [computer file]. Chapel Hill, N.C.: Institute for Research in Social Science.On-line database. (uirdss@uncvm1.bitnet). 電子メールとコンピュータ関連の項目  電子メールの使用と社会科学研究者の間のネットワークが最近急速に成長しました。 しかし、多くの人がただその力と世界的に利用可能な資源の一部を使っているだけに すぎないのです。ネットワークは将来 (特にもしそのコストが低いままでいるなら)、 データ資源にアクセスし、また、広範囲に配布する方法となるでしょう。使用するデ ータ資源とその有効性について他の人たちに知らせることがすべての電子メールとの ネットワークユーザーの責任になるのです。ちょうど未出版の原稿、テーマ、論文、 あるいは手紙で、著者に著作権を与え、そして次のアクセス(検索)に十分な情報を 提供する方法があるように。 コンピュータを使って作られ、電子メールとネットワークによって後に配布された作 品が未出版の資料とさらに特別な「タイプ文書」の分野に分けられるでしょう。実際 は、それらが新しい用語をつくりだし、「 computerscripts(コンピュータ文書) 」 と適切に呼ばれるでしょう。 未出版であるか、あるいはこの電子メールのようなコンピュータ作品、論文、コンピ ュータファイルなどを引用文に使うとき時、その項目の本質について記述し、合理的 な分量の情報を含めてください。 Jones, Paul.1989. "What is the Internet?"Academic Computing Services, University of North Carolina at Chapel Hill.EMail. (pjones@samba.acs.unc.edu). Holland, Alecia, ed.1989. Institute for Research in Social Science Newsletter (Jan.).University of North Carolina at Chapel Hill.Computer-readable mimeo. Cox-Byrne, Sarah.EMail letter to Laura Ann Guy dated October 5, 1989.EMail correspondence. Petterson, Lynne M. 1990."The Impact of International Competition, Technological Adoption and Industrial Restructuring on the Evolving Geographic Distribution of the Contemporary American Machine Tool Industry." [computer file].Ph.D. diss.University of North Carolina at Chapel Hill. Updegrove, Daniel A., John A. Muffo, John A. Dunn, Jr. "Electronic Mail and Networks: New Tools for Institutional Research and University Planning." [computer file].AIR Professional File.Forthcoming. 参考文献  Dodd, Sue A. 1979 "Bibliographic References for Numeric Social Science Data Files: Suggested Guidelines."Journal of the American Society for Information Science, 30:77-82. Dodd, Sue A. 1982 Cataloging Machine-Readable Data Files: An Interpretive Manual.Chicago: American Library Association.Pp.169-172. Sue Dodd (USDODD@UNCVM1.BITNET) Institute for Research in Social Science University of North Carolina at Chapel Hill 日本語訳 吉沢 信之 1996年 1月19日